「そろそろ・・・だな」

そう思って・・・外を眺めていたら
今にも泣き出しそうだった空が
やっぱり・・・雨粒を落としはじめた

校庭の色が・・・みるみるうちに変わり
体育の授業をしていた奴らが
慌てて渡り廊下のほうへ駆け込んでゆく


退屈な授業は・・・あと少し
俺の耳は氷室の声を聞いているけれど
俺の心の中は・・・もうとっくに放課後

壁にかかっている不細工な時計の秒針は
カチカチ動くわけではなく・・・
流れるように進み続ける


残り時間は・・・あと15周
俺は・・・指折り数えて待っている




チャイムが鳴って・・・氷室が出て行った
日直のは・・・黒板を消さなくてはいけなくて
あんまり長くない腕を・・・一生懸命に伸ばしている

でも・・・俺は知ってるんだ
氷室の身長が高いって事


「貸せよ・・・上のほう俺がやる」

「氷室先生いっつも上まで使うから、全然届かないの
ありがとう、葉月くん」

「ん・・・その代わり・・・おまえに頼み」

「え?何?」

「雨・・降り出しただろ?」

「あ〜!また傘持ってないんだなぁ?」

「ん・・・正解」

「全くもう!」

そう言って・・・は俺の頭を拳でこつんと叩く


「雨の降りそうなときは傘を持ってきなさいよ!」

「解かった・・・次は必ず」


でも・・・俺は持ってこない
そう
鈍感なが・・・
俺の気持ちに気づく日まで
多分ずっと・・・傘は持ってこない

だから・・・肩がぬれてもいい
いっしょに帰ろう

な・・・いいだろ?




END

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